ロサンゼルスで発行されている羅府新報(らふしんぽう)の二○二六年羅府新報新年懸賞文芸「詩」一席に、ロサンゼルス在住の大竹幾久子(おおたけ・きくこ)さんの「原爆資料館の展示物」が入選しました。

「原爆資料館の展示物」  大竹幾久子

爆心地から一・五キロ 離れたところに居た人
。。赤いペンキを頭からかぶったように
。。全身真っ赤に焼けた
。。素っ裸の蝋人形を展示する

爆心地から二百メートル 離れたところに居た人
。。男か女かも分らぬ
。。真っ黒な炭となった
。。蝋人形を横たわせる

爆心地に居た人
。。展示物は
。。なんにも ない

選者:中野隆一郎

選者評:砥(と)ぎ澄まされた文体でインパクトがある。原爆の爆心地からの距離で事物を描写する手法も良かった。