2013年 第29回朝日歌壇賞入賞歌 大竹幾久子さん
永田 和宏 選

「あれしきの被曝で何を騒ぐかと言ってはならぬ我は被爆者」(2012年7月30日入選歌)

選者 評
大竹さん、重い歌だ。原発事故の被曝量をきいて、被爆者としては「あれしき」と言いたくなることも。何ごとにせよ、つい「私に比べたら」と言いたくなるものだが、「言ってはならぬ」という厳しさは全てに通じる。

この歌には英訳があります。
 no reason to make a fuss
 over such trivial an explosion
 I shouldn’t say this,
 me, an atomic bomb
 survivor

出典『変わらない空』 編者 辻本勇夫、2014、講談社。138ページに掲載
歌は下記の先生方の合議により翻訳されました。
Dr. Amy Vladeck Heinrich
 NYコロンビア大学の元東アジア図書館長で斉藤茂吉や谷崎潤一郎の研究家
Dr. Laurel Rasplica Rodd
 コロラド大学教授で古今集、新古今集、与謝野晶子などの研究と翻訳
Dr. Joan E. Ericson
 コロラド・カレッジの教授で林芙美子などの日本近代女流文学を研究

『変わらない空』に載っているもう一つの大竹幾久子さんの歌です。

「放射能の恐怖が皆のものとなり解ってもらえた被爆者我等の」(74ページ掲載)
                fear of radioactivity
                shared by
                one and all –
                they’ve come to understand us now,
                we survivors of the atomic bomb

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